桜 歌詞欄(Lyrics)駅前通り 風の匂い くすんだ空に 舞う白い 花びらひとつ 肩に落ちて なんでもない日 よぎる面影 制服のまま 歩いた道 まだ知らなかった 痛みと意地 ふいに笑った その横顔 まぶしくてただ 目を逸らした 遠くの街で 時は進んで 名前さえもう 口にしないけど 春になるたび あの景色だけ 胸の片隅 そっと光る 桜の季節 あの日の君を 見た気がしたよ ふとした午後に 風の向こうで 揺れる輪郭 ほんの一瞬 時がにじんだ 名前を呼べば ほどけてしまいそうで 足はそのまま 動かなかった 淡くほどけた 春のノートに 君のページが めくれていた 帰り道には 寄り道して 夕陽に染まる 川沿いのフェンス 他愛もない 話が好きで 言葉にしない 気持ちがあった 追いかけるように 季節が変わり 急ぎ足だけ 覚えてる 誰にも言えず しまったままの あの空模様 まだ胸の奥 いま目の前を 誰かが通る 笑い声さえ どこか遠くて ふと立ち止まり 目を閉じれば ひとつの春が そっと息づく 桜の隙間 陽ざしが差して 影が揺れてた 午後の交差点 何も言わずに ただそこにいた そんな記憶が 風に溶けた 戻りたいとか そうじゃなくて 今の自分に そっとほどける あのページにも 意味があったと ようやく今日 思えたんだ |