勝ち方は知ってる 歌詞欄(Lyrics)満月の夜に 胸がざわめく 誰もが黙って 豆を抱く 勝者の羽織 肩に重く 斬ったのではない 育てて勝った 勝ち方は知ってる でも土は違う 赤玉と腐葉土 ふかふかの床 pHは6.5 風を通す 株間20 密植は罪 根を張らせ 光を浴びせる 朝に水やり 夕方は控え リン酸多めの 液肥を注ぐ 窒素は過ぎると 葉ばかり茂る 実を太らせるには 間引きが鍵 つるは誘引 ネットに導く 高さ1.5 風に折れぬよう 下葉を落とし 光を通す 満月前に 水を絞る 測るのは 長さじゃない 張りと艶と 育てた時間 誰も斬らずに 勝ち残る それが この夜の流儀 今年の風 今年の土 今年の俺が 勝つかどうか 定規じゃ測れぬ 土の記憶 水の癖 月との約束 一本だけ 選んだ種 誰にも見せず 土に埋めた 雨の日も 風の日も 黙って 根を張らせた 伸びるつるに 言葉はない 折れそうな夜 声も出ない でも この一本が 俺の全部だった 「お主の豆、見事ですな」 「いや、まだ育つはず」 「羽織の紋、似合ってます」 「それは、豆が選んだだけ」 前回の優勝 忘れてない でも それは過去の豆 今年の風 今年の土 今年の俺が 勝つかどうか 測るのは 長さじゃない 張りと艶と 育てた時間 誰も斬らずに 勝ち残る それが この夜の流儀 勝者の証は 光る羽織 ブランドよりも 育てた重み 誰も見てなくても そこにいる それが この夜の流儀 |