最終列車 歌詞欄(Lyrics)群青色の夜空から、白い灰が降っていた お前のネイビーのダッフルによく似合ってた 自販機で買った缶コーヒーは、もう熱を失って ぬるい甘さだけが、舌の上にのこっていた お決まりの励ましも、約束もいらない ただお前がそこにいるって事実だけで この震える指で握りしめた覚悟は もう折れたりしないんだ さよなら最終列車、僕をどこかへ連れてってくれ 過去も感傷も振り払って、線路の向こう側へ コンクリートに染みた涙の跡も、白い息の行方も この痛みが全部、夜明けをこじ開けるための閃光になる 改札の蛍光灯が、僕らの影を伸ばしていた どっちがどっちだか、もうわからないくらいに ポケットの中のカイロだけが、馬鹿みたいに熱い この街の寒さを、全部おぼえておこうと思った ぶっきらぼうな「じゃあね」で十分だった それ以上の言葉は、きっとただの嘘になる この片道切符は、もう戻れないナイフなんだ 黙っていることの方が、ずっとうるさかった 走れよ最終列車、夜の闇を切り裂いてくれ 後悔も未練も置き去って、まだ誰もいない朝へ 飲み干せなかったコーヒーの苦さも、唇を噛んだ味も 忘れないことだけが、僕らを繋ぐたった一つの約束なんだ いつか、また会えるなんて、思っちゃいない ただ、お前がくれたこの熱が消えない限り 僕は僕でいられる それだけで、いい ありがとう最終列車、僕をここまで連れてきたすべて 弱さも強がりも抱きしめて、線路の向こう側へ この群青色の夜と、ポケットの鈍いオレンジを 道標にして、明日を迎え撃ちに行くんだ、ひとりで! |