泡沫の舞 歌詞欄(Lyrics)月明かり、誰にも拝まれぬ社の影で 鈴の音ひとつ、夜風にほどける 踊り手たちは影法師 足元には、誰のものとも知れぬ足跡 提灯揺れる 風のまにまに 姿なき声が 唄を編む ひとひらの影が輪を抜けて 祭囃子に溶けて消える 名もなき神の影が 櫓の下に立つ 夜の底 篝火に 身を焦がすように この夜に踊れ 忘れられし名のもとに 空を裂くように手を伸ばし 魂よ跳ねろ 鉦が導くまま 還らぬ神と踊る 盆の火の中 もう誰も知らぬ御名を 踊りのなかで呼び戻す 輪になって 手を取り 過去と未来を超えてゆけ この夜に踊れ 忘れられし名のもとに 裂けた空さえ灯すように 命よ跳ねろ 鉦が導くまま 終わらぬ夢と踊る 盆の火の中 灯は消えて 足音も絶え 残るはただ 土と炎の匂い 神が戻る 深き闇の奥 祭りの終わりを誰も告げない この夜に踊れ 忘れられし名のもとに 天の闇裂いて叫ぶように 魂よ燃えろ 鉦が導くまま 永久の神と踊る 盆の火の中 踊り終えし影たちは 誰の記憶にも残らず ただ 夜の土に 静かに還る |