ザッハトルテ Bittersweet 甘い影 歌詞欄(Lyrics)グラサージュが つやめく午後 ナイフの先に 映る窓辺 サロンの隅で ひとりぶんの夢 今日はわたしと ザッハトルテ アプリコットが 甘く誘う ほろりとほどける 午後の記憶 カップに注ぐ ウィンナーコーヒー ミルクがしずかに 宙をまわる 街のざわめきは 遠くて チョコレートのしまにただ、ひとり ふわりと香る あの人の声 グラスの中 とけてゆく ザッハトルテ 一口ごとに 甘くて ほろ苦い その重ね 舌の奥 心の奥 ほどかれてく ビターなラブレター 紅茶にうつる 午後の色 小さな銀のスプーンをくるり かさなる層に 言葉がひとつ 「会えなくても 甘いままでいて」 窓の向こう クラシックが そっと揺れる シュトラウスのワルツ このまま時が 止まればいいと ケーキの影に願いかける ザッハトルテ 思い出の層 ジャムの酸味が 胸を焦がす 冷えた手に カップのぬくもり ブランデーみたいに 優しい名前 テーブルには 最後のひとかけら それさえ 食べられないわたし カップの底に 沈む願い “この甘さが あなたにも届きますように” |