彼のタバコ 歌詞欄(Lyrics)月明かりが照らす背中 ベランダで煙を吐いてる テーブルに置かれた箱は 私の知らない銘柄だった いつからその味を覚えたの? 私に隠れてこっそりと 違うにがさを知ってしまったの? もう、手遅れみたいだな 彼のタバコは いつもの苦い味じゃないみたい 知らない煙がこの部屋を支配してく 言葉にするのはまだ早いけど 誰かの影がちらついて消えた シャワーの音がする間に そっと灰皿を覗き込んだ 私の知ってる吸殻じゃない 白い嘘が一本転がってた フィルターに残った紅い跡 私よりずっと鮮やかで 少しだけ胸がチクッとした ああ、そういうことだよな 灰皿の嘘は 私の知らない色をしていた 甘ったるい煙が真実を映し出す 言い訳なんて聞きたくもないよ 白いフィルター、アノ子の唇だ 言葉で嘘はつけても その身体に染み付いた匂いは 嘘をつけないんだね 一番、正直なんだね 彼のタバコが ふたりの終わりを静かに告げた 甘ったるい煙が私の喉を刺してくる もう何もかも全部わかってしまったよ しえんの向こうでアノ子が笑った |