風のあと 歌詞欄(Lyrics)[Intro] 窓ガラスを叩く 細い雨音 弾むみたいに消えて また戻るだけ [Aメロ1] 落ち葉の駅前 マフラーほどけて 鈍色のバスが 吐き出す息を見た 君の残像だけ ポケットの中 古い切符みたいに 折れてしまった [Bメロ1] 「またね」の温度を まだ掌で探す 風がページをめくって 名前を隠す [サビ1] ああ 君のいた季節が 胸の底で鳴る 触れられない光は いつも少し痛い 立ち止まるたび 僕は息を数えて 風のあとに立つ それだけのまま [間奏] (時計の針が ひと目分だけ進む) [Aメロ2] 踏切が鳴って 遠くを列車が行く 君がいないことだけ 鮮やかになってく 音のない街で 靴紐を結ぶ なくしたものほど やさしく見える [Bメロ2] 言い訳のような 白い雲が流れ 呼べない呼び名が 舌の上で冷える [サビ2] ねえ 写真の青空は どうして嘘をつく 笑っていたはずなのに 息が白くなる さよならよりも 遠い単語を探して 風のあとを追う それしかできない [Cメロ(転調)] 君の声が ガラス越しの海みたいで 指で触れたら 波紋だけが残った 届かないから こんなに近かったこと 今さら気づいて やっと泣けた [サビ3(静→動)] ああ 君のいない世界で 音が戻ってく 止めていた心拍を そっとほどくように 失くしたものの 余白に息を描いて 風のあとでやっと 前を向けそうだ [間奏2] (ギターが雨粒を数える) [Aメロ3(新規情景)] 朝焼けの線路 鳥が空を縫う 今日という日付が カレンダーを照らす 君のいない日々を 正確に刻む それでも僕は 遅刻してでも生きる [Bメロ3] 「大丈夫」なんて 上手に言えないけど ポケットの切符は まだ捨てなくていい [大サビ(キー+1)] ああ 君のいた季節が 消えないままでいい 手放せない痛みが 僕を連れていく 新しい風が 頬を通り過ぎたら 君に届かない歌でも 歌っていく [アウトロ] 風が止む頃 僕はまだ 君の夢を見ていない それでも靴底で 今日を踏みしめて 小さく息を吸う——行こう |