逝きたい世界が殺めてくれぬ 歌詞欄(Lyrics)「絶頂(ころ)して 然(さ)れど 静謐(しじま)を賜(たま)え 」 残響(おんきょう)だけが木霊(こだま)する 白昼夢(ゆめ)の終焉(おわり)にも 此(こ)の肉叢(にくたい)は酸化(さび)てゆく 耐え難きセピア色の現世(うつしよ)の瘴気(くうき)を 幾許(いくばく)吸い込めば済むことか? 魂(こころ)は乾涸(ひから)びてゆく 潤(うるお)いなき 砕(くだ)けし硝子瓶(フラスコ)に ただ燻(くすぶ)り焼(や)かれるだけか? 「私(わたくし)は虚蝉(うつせみ)か……?」 私(わたくし)を睥睨(みおろ)す 蒼穹(そら)は黙(もだ)した儘(まま) “絶命(し)ねぬ” 其(そ)れが 「生存(せいぞん)」の定義(あかし)とは片腹痛い 此(こ)の世(せかい)、私(わたくし)を逝(い)かせてはくれぬ 逝(い)かせてはくれぬ 逝(い)かせてはくれぬ 逃避(とうひ)も叶(かな)わず 消滅(しょうめつ)も許(ゆる)されず 破砕(こわ)れることすら儘(まま)ならぬ 此処(ここ)に在(あ)るのは、単(ひとえ)に呼吸(いき)か? それとも反芻(くりかえ)される、遺言(レコード)か? 不開(ひらかず)の花(はな)の代(か)わりに 凋(しぼ)まぬ私(わたくし)が残(のこ)された 静寂(しじま)を、静寂(しじま)を、と乞(こ)うたにも拘(かか)わらず 世界(すべて)は相も変(か)わらず囂々(うるさ)い 私(わたくし)の不在(いな)い虚無(からっぽ)の世界(ばしょ)に 私(わたくし)の音色(おと)だけが漂(ただよ)う 音(ね)に殺(あや)められ 音(ね)に生(い)かされ続けている 此(こ)の世(せかい)が── 此(こ)の世(せかい)が 私(わたくし)を 未(ま)だ諦観(あきら)めて くれぬ!!! 此(こ)の世(せかい)、私(わたくし)を忘却(わす)れてはくれぬ 逝(い)かせてはくれぬ 逝(い)かせてはくれぬ 逃避(とうひ)も叶(かな)わず 消滅(しょうめつ)も許(ゆる)されず 破砕(こわ)れることすら儘(まま)ならぬ 「……未(ま)だ、生存(いき)て居(お)る 」 |