♪ 彼こそは 1.5次元の美青年 ♪ _壱 歌詞欄(Lyrics)[Verse 1] あはれ 月の影 ほの白く 筆の跡に 移ろう夢の人 藤の香を 纏いて微笑み給う その御髪 黒き糸のごとく長く 眼(まなこ)は 朧の宵を宿せり 一筋の墨より 生まれ出でし君 現(うつつ)にもあらず 幻にもあらず [Chorus] 彼は 一・五次元の 美青年 光源氏 言の葉に生まれ 夢の中に住む人 手に取らば たちまち霞と消ゆれど 読むたびに 命を取り戻す [Verse 2] 紫の衣の裾 春の風に靡き 面(おも)は 雪のごとく白く 声なきままに 恋を誘う 千年の時を 経れども その名 今も 人の心を染む あはれと 誰かが呟くたび 彼の眼差しは 頁(ページ)の奥に灯る [Hook] 彼は 一・五次元の 美青年 光源氏 文字と思いの 間に息づく人 描かれてなお 囚われぬ影 読む者の夢こそ 彼の現(うつつ)なり [Interlude] [Bridge] あやしきかな 電子の海にも影さして 光るその形 千年の後によみがえる スクリーンに映る面影は ただ 言葉の残り香に過ぎぬ 墨の香に誘われ 君また現る 「我は物語のほとりに生きる者なり」と [Last Chorus] 彼は 一・五次元の 美青年 光源氏 一次元の文字に生まれ 二次元の夢想に漂う その狭間にて 永遠を生きる あはれ 読む人の心こそ 彼の世界なりけり [Outro] 墨の香や 時を越えたる 面影に 夢か現か 心ぞ惑う |