蜜夜の葬列(みつよるのそうれつ) 歌詞欄(Lyrics)[Intro] 藍色の夜が わたしを包む 影ばかり連れて 躰も冷たい 甘い囁きは 毒蜜の味 誰かに触れられた夢の残り香 [Verse 1] 震える指先で 夜風を梳(くしけず)り にじむ心音(おと)を 隠して歩く 繕われた笑顔 仮面は剥げて 硝子の夏服(なつごろも) ひび割れ誘惑 嗤(わら)ってほしいよ 痛み慰みに 紅染めの指は 誓いのなごり 街灯り滲む 明けぬ午前四時 ぎこちない愛撫(なで)に 嘘だらけ [Pre-Chorus] 愛してよ わたし以外 消えてしまえばいい 手のひらで 握り潰す 孤独ばかりが 心を蝕(むしば)む 硝子細工の刃 ねえ 救いなんていらない [Chorus] 夜現(よるうつつ)の葬列を ひとり歩く 身体(からだ)の楔(くさび)は あたたかさの偽物 満たされない渇き 舌で舐めあげて この世界で一番 醜いのはきっと わたしだと知ってる [Verse 2] 名もなき影が 這いよる寝台(ねや) 抱擁の中で 息苦しくなる 誰もが名誉欲しがる闇夜 わたしは快楽(あまいちぎり)でしか愛されぬ 承認の雨(あめ)に濡れても 心は泥 高鳴るだけの鼓動 虚ろな媚態(びたい) 爪痕は勲章と 嘯(うそぶ)きながら 自己嫌悪(うらみ)を誤魔化し 夜明けを拒む 欲しくて欲しくて 堕ちてゆく先 水果(みずくわ)の香りと痛みの罠 偽善の手のひら 差し出すなら 首筋に刺して 癒えない棘を [Interlude] 「愛されることに慣れてしまえば その分だけ深く孤独になる わたしはわたしを 誰も救わぬと、 何度も夜に言い聞かせる」 [Bridge] 軋む心は紅(くれない)に濡れて 白日夢の中 誰かを切望(この)み 絡みつく蔓(つる)のような 愛の嘘 切っても切れない 闇より黒い望み [Chorus] 夜現(よるうつつ)の葬列を ひとり歩く 身体の楔は 幻(まぼろし)の温度 どれほど抱かれても 満ち足りぬ胸で この世界でいちばん 最低の葬り子 [Outro] 藍色の夜は もう醒めやしない 誰も知らない 蜜夜の葬列 わたしひとり 闇に抱かれて 露に濡れた花の 匂いだけ残して |