透明症候群

透明になれたら、どれだけ楽だったんだろう。期待も失望も通り過ぎて、誰にも気づかれずに息をしていたかった。だけど、画面越しの誰かの言葉にちょっとだけ揺れて、夜の隙間に溺れるたび、心のどこかが騒ぎ出す。「私を見つけて」なんて、口に出す勇気はないけれど、それでも、消えたくないって願ってる。曖昧で不安定なこの感情は、誰にも翻訳できないポエムみたいで。ただの一瞬でいい、誰かの記憶に残れたら。今日も都会のネオンにまぎれて、私は私を探してる。

naomikoryo (Youtube same name)