熱のしたたり 〜Doyō no Ushi〜 歌詞欄(Lyrics)暑さがまとわりつく指先で のれんをくぐると 香りがすべてを変える 焦げ目、甘辛、艶やかに あの煙に溺れたくて また来てしまったの 扇子でなぞるうなじ 汗の粒が落ちたら あなたの箸が 私を逸らさない 蒲焼 重なる願い 肌に絡むタレのように じりじり火照る 心も舌も 焦がして 飲み込んで 「土用の丑の日」なんて ただの口実 あなたと うなぎの熱で 私を焼いて 背開きが礼儀なのは、きっと 武士の誇り だけど私は… おなかから開いて すべて見せたいと思ってる 蒲焼の照りに映る 赤く濡れた唇 口元の秘密 あなたが知りたいなら 蒲焼 滾る本能 目を伏せても感じてる 煙の奥で うなぎは踊る その身を差し出すように あなたに「食べたい」と言わせるまで 私は香りで 誘い続けるわ シラスから育つ命 遠くマリアナから 流れつくまでの記憶を その身が語るなら 私も…どこかで待ってた この夜を あなたに 焼かれる日を 蒲焼 揺れる吐息 甘さの奥で疼く衝動 ひとくちごとに 私が解けていく 夏にしか言えない「好き」 土用の丑の日だけの ご褒美なら 私の奥まで 味わって… …あの煙の中で 私たち、溶けてしまえばいい |