詞存り 歌詞欄(Lyrics)これは、古の歌謡 理を解いて、風を纏う詞 香りと色気、音に宿して── 心を射るのは、刀ではなく余韻 性別も名も要らぬ視点 聴けば己を映す、錯覚の宣言 色の温度も 矛盾の匂いも 匂わせずに匂わせる、それが術の流儀 古語とスラング混ぜて揺らぐ ジャンルの境など、とうに踏み越えた 和も洋も、陰も陽も 感覚で削って、ただ音に刻む どんな音も 香りで裁く 色気は見せぬ、滲ませるだけ 言葉は刃だけど触れずに斬る 耳で聴くな、肌で染みろ 変幻自在の詞、刃より鋭し 空気ごと裂く言の矢ひとつ 拝啓、流行に酔える者ども その美学、仮初にて候 韻だけじゃ測れぬ間粋 語尾に残る沈黙こそが凶器 “いとをかし”と笑いながら beatの上では獣ぞよ 流行りの風は道化の舞 静けさの中に猛火を隠す 数式じゃ読み取れぬ感情 完璧をなぞる AIの幻想 曖昧な痛み、黙る声 それを言葉にする、それだけの芸 理屈より呼吸、ズレを愛せ 香りはデータじゃ再現できぬ ルールの外に宿る詩 それがまことにして、名もなきスタイル 言葉で触れずに 心をほどく 痛みも欲も 音にして滲む 呼ばれずとも 分かり合える距離 声にならぬ声で 繋ぐ真意 時代も声も すでに選ぶものじゃない どの顔も纏えて、どの詩にもなれる これは一人の手間で成る、AI越えの詩 掴めぬ感情を 言の葉に変えて ただひとひらの詩として、ここに在る |