決意の日 歌詞欄(Lyrics)父が倒れた。 誇り高く生きてきた父が。 そして追うように母までも。 両肩に介護の現実が重くのしかかった。 だが生きていくためには働かなくてはいけない。 葛藤を抱えて何件もの施設を訪問し探すなか 目を疑うような現実を数多く見た。 「人の尊厳とは何か」 やるせなさに心の中で何かが崩れていく音が聞こえた。 人は、老いたから弱くなるんじゃない。 弱く見てしまう社会のまなざしが尊厳を剥がしてしまうんだ。 変えたい。そう思った。 老いても、不自由を持っても。 そのままで尊重される場所を。 大切な人を預けられる場所を。 そんな場所を、自分の手でつくると決めた。 上場企業の役員の立場を投げうっての起業。 デイサービス開業の準備に追われる中 かつての部下が不意に訪ねてきた。 差し出された封筒に入っていたのは履歴書。 そして、まっすぐな瞳で言った。 「一緒に働かせてください。」 心も、差し出された。 その瞳の中の熱に胸の奥が揺れた。 けれどまだ、会社は存在もしていない。 資金の目処も、黒字化の見込みも、なにもかもが未定だった。 だからこそ口にしたのは現実的な言葉。 「今はまだ、人を巻き込める段階じゃない」 だが再び、数日後。 「無給でいい。どうしてもあなたと一緒に働きたいんです」 待遇でも条件でもない 信じたいものがある、と語る瞳には決意と炎のゆらめきがあった。 起業という不安定な地盤に情熱という力強い杭を打ち込んでくれた。 無給でなど、働かせはしない。 そしてほどなく 「先を越された!」と歯噛みしながら 想いひとつを持ち駆けつけてくれたかつての部下がまたひとり。 始まりはたった三人。 だが、その背中には迷いなどなかった。 ーーーただひとつ、誤算があった。 二人とも、運転免許を持っていなかった。 デイサービスにおける送迎はいわば生命線。 全ての送迎を自分が担うと知ったとき 一瞬だけ、天を仰いだ。 「え・・・・・全部、俺なの・・・?」 始まりは三人だけの旅路 運転免許なんて持っていなくても 未来を運ぶ車輪がそこにはあった。 情熱という名のハンドルで 志というアクセルを踏みながら 信じた道をただひたすらに走る旅路。 ――敬って、護る 大切な人たちを。 それがリハプライムのはじまり。 そして、これからも変わらぬ原点。 |