ネオンテトラの海 歌詞欄(Lyrics)終電はとっくに 気道を塞いで 湿ったアスファルト 逆さまの摩天楼 排気ガスの匂いと サイレンの残響が 飽和した水蒸気みたいに この街を浸してく 意味のない信号が 青く点滅して 流されていくんだ 同じ角度の表情筋で 名前をなくした僕らは 巨大なひとつの生き物 心地良い気だるさで 満たされていく ああ ここはネオンテトラの海 歪んだ光を浴びて 群れをなして漂う ガラスの頬に映った 知らん顔の自分も ただ綺麗で ただ虚ろで この景色に消費されてる スクロールする指は 体温を忘れて 画面(ガラス)一枚越しの世界を なぞるだけ 誰もノックしてこない 安全なこの水深で 飼い慣らされていくことにも もう慣れて 同じようなプレイリスト 同じため息の形 誰かの憂鬱に擬態して 安心してるんだろう このノイズに守られてる 卑しさに気づいても 喉の奥で言葉は 泡になって消える ああ ここはネオンテトラの海 逃げ出す言葉も見つからないまま漂う ガラスの頬に映った 見慣れた顔の自分も ただ綺麗で ただ虚ろで この夜景に溶かされていく 無理に泳ぎ方を変えても 水流は変わらない 誰も水面を目指さない 浅い底で 息継ぎを忘れたのも これが呼吸だったから 僕らは気づいている この水槽の中で ああ ここはネオンテトラの海 歪んだ光を浴びて 群れをなして生きる ガラスの向こう側には 何ひとつ無いと知ってて ただ綺麗で ただ虚ろで この景色に消費されてる ただ、それだけだ |