The Night Library Dancefloor 歌詞欄(Lyrics)閉館のベルが一拍遅れて鳴る 書棚の影が針金ハンガーのようにしなる (しー…) 背表紙たちの背筋で、夜が背伸びする 目録カードが靴音を練習している 索引の指が月光にフリックをかける 角の百科事典は古いルンバを覚えていて 階段下の辞典が低い声でカウントを刻む(ワン・ツー…) しおりの赤と青が絡まって 静電気みたいなため息を放つ ページの余白が頬を染め 読みかけのあなたが 踊りかけの私になる 踊ろう インデックスの灯りの下で アルファベット順の恋なら迷わない (Ah—)背表紙の縫い目がほどける前に 棚番地K-12でキスを借りよう 延長貸出は 心臓の鼓動で —(紙の星屑が回転、譜線が螺旋) 小声のラップで司書台がスピンする 罫線ダンス:点線はステップ、実線はターン 栞(しおり)の房がメトロノームを撫で 図書カードの穴がミラーボールの穴になる あなたの指で段落が崩れ (ここから新章) 息継ぎは息を呑むために カンマが跳ねて、ピリオドがウィンクする 見出し語が私の名を仄かに定義する 踊ろう 目次の海図を広げて 脚注の海でくるぶしを濡らす (Oh—)製本テープがほどける夜に 棚番地K-12で迷子になろう 返却期限は 明け方の初キスで (しー… ページの羽ばたき しおりの鈴) 半分のテンポで時間が折りたたまれ 背表紙の谷間に星座が挟まる 三行目の余白に小さな扉 ノックは三拍半 開けたら中はダンスフロア 辞書が肩を貸し、詩集がリードを取る (Doo—bah—dee)用語集がハグを覚える (ba-da-ba) しおりの影が二人を結ぶ (doo-bee-doo) カタログ番号で名前を呼ぶ (sha-la) 貸出カウンターは月のDJブース 踊ろう 目撃者は夜の蛍光 約物たちが拍手してくれる (Ah—)天地の余白で宙に浮き 棚番地K-12で「ずっと」を借りよう 延滞金なら 明日を分割で払えばいい 朝刊がドアの下で咳払いをする (しー…)インクの体温が冷める前に “返さない本”を胸にしまう —あなた |